効率的な内部出発生する熱の管理は、ピエゾアクチュエータのダイナミックでパワフルな応用において欠く事の出来ないことです。これには、ピエゾメカニック社の "ThermoStable" 技術がおおいに役立ちます。その主な問題点は、セラミックスタックの表面から金属ケーシングまでの熱の効率的な伝播にあります。一般的にセラミックスタックの表面には、セラミック電極層から配線された導線があり、これを覆う外側の金属ケーシングとの間にギャップを作る必要があります。都合の悪いことに、このギャップは電極の絶縁をする代わりに、内部で発生する熱に対する放熱の妨げになります。これを解決したのがピエゾメカニック社の "ThermoStable" です。その結果、セラミックのスタックの中のどんな局所発熱も防げ、非常に高いパワーレベルでの運転においてもオーバーヒートすることなく信頼性の高い装置を実現できます。セラミックからケーシングまでの温度差はおよそ10℃です。
a. |
単にケーシング温度を測定するだけで、おおよそのアクチュエーターの発熱状態を測定することができ、直接内部スタックの温度を測定する必要ありませ。 |
b. |
アクチュエーターケーシング内に冷却媒体等を流す必要はありません。 |
"ThermoStable" を使った場合、発生する熱はアクチュエータの取り付けメカニズム(下部)を通って効率的に伝達されます。この製品の寸法は、標準アクチュエーターの寸法と同じです。パワーアプリケーションへは、既存アクチュエーターからの単なる変更で対応出来ます。またこの代替の方法として、ケーシングに強制空冷用フィンを施したモデルも出来ま。
実証例
次に標準のアクチュエータ PSt 1000/25/80 VS 35 (静電容量 2μF) に、"ThermoStable"ケーシング、及び 強制空冷フィン付き オプションを施した時の実験結果を示します。
- ピエゾメカニック社のスイッチング増幅器 RCV 1000/7 (1000V/7A) を使った場合、ダイナミック動作 (80μm/1000V 周波数900Hz) でケース温度上昇はわずか95℃でした。
- 温度上昇は、定格よりはるかに下回りました。(定格温度 ケーシングで約140℃)
- さらなるスタックからの放熱方法が可能なため、数キロヘルツのストローク運転が可能です。
ピエゾメカニック社の LE または RCV アンプ、または同等な高出力を使用するアプリケーションにおいては、アクチュエーターに "ThermoStable" オプションを使う事をお薦めるします。 |
|
|
"ThermoStable"の構成
(左側) 銅のケーシングが使われたアクチュエータ (右側) 強制空冷のための空冷フィン付き |
|
|