長寿命バイポーラ ピエゾスタック アクチュエータ
- バイポーラ駆動でドライブが容易です -

  • ユニポーラピエゾスタックに比較すると、1〜2桁大きな振幅運転でも非常に長い寿命と信頼性が期待出来ます。

  • 標準のユニポーラ同様高いストレイン、例えば有効長40mmのアクチュエータは全ストローク40μmを発生します。

  • 非常に容易なドライバー駆動。

  • ドライブ概念を一新して下さい。例えば50Hzとか 60Hzの機械的な振動は、ピエゾスタックをACラインに直接接続することで容易に発生することができます。つまりこの場合、高価な電源(アンプ)を必要としません。

  • 2つのスタックを使い、プッシュ・プル構成が容易に実現できます。

  • バイポーラ駆動のメリット
    A: オフセット電圧 Uof が無い 0Volts

    B: ピーク電圧 Up は、それぞれの半サイクル毎に極性を変えます。その結果、荷電粒子の単方向拡散蓄積効果を排除することが出来ます。さらに駆動電圧 Upは、同等のユニポーラスタック (図-1b参照)と比較すると絶対値が半分になります。

    その結果、このような条件下では、スタックの表面の電気化学特性の劣化はゼロになります。従って、図-1で示されるようなユニポーラの運転モードと比べ、スタックの信頼性と寿命が大幅に改良されます。

    大きいストレインは、新しい高安定ストレインPZTセラミックによって保証されます。

    ピエゾメカニック社のアクチュエータ PSt 350 bp/… は、一日24時間、フルストローク、100Hz以上のサイクルレートで、総サイクロ1010以上、性能の劣化無しにあるアプリケーションで使われています。そして、今でも動き続けています。

    アプリケーション

    バイポーラピエゾスタックアクチュエータは、多くのアプリケーション上で使い勝手の良いピエゾアクチュエータです。それは、アクチュエータが、平均化した中央位置(中位レベル)を持ち、ダイナミックな動きを必要とする応用、例えば、振動のキャンセル等に適しています。この中位レベルとは、駆動電圧 0 Vに対応する位置です。
    一般的なピエゾスタック(ユニポーラ)の寿命と問題分析

    ピエゾスタックの抵抗 R の時間的変化
    これまで、ほとんどのピエゾスタックアクチュエータは、ユニポーラ電圧(±極性ではなく偏った極性、例えば 0V〜+1000V)で駆動されていました。不都合なことに、このユニポーラ駆動は、セラミック表面の電気化学的特性の低下、すなわち単一方向の拡散によるイオンの汚染を引き起こし、長時間使用することで微細欠陥の蓄積を引き起こす結果となりました。
    長い時間同一極性の駆動電圧がかけられると、この特性の低下は漏洩電流の増加となって現われます。言い換えれば、このようなアクチュエータの内部抵抗 R は時間と共に低下し、最終的に絶縁破壊を起こします。この現象は、ユニポーラスタックの寿命/MTBF(平均故障間隔)を短かくする結果となります。

    ユニポーラスタックを正弦波電圧駆動した場合、駆動ピーク電圧 Upと平均電圧 Vaveとの関係。
    【ダイナミック駆動】
    常に値が変化するダイナミック駆動の場合でも、ユニポーラ電圧ドライブではその時間軸で平均すると駆動電圧は DC成分 Uofを持ち、前述と同じ結果となります。故障率は、この平均 DC電圧 Uofに対し指数関数的に増加し、ピーク電圧 Up 大きくなればさらに悪化することとなります。
    【バイポーラ駆動】
    バイポーラ駆動の場合、駆動電圧はプラスマイナス均等にドライブするため極性の偏りがなくなり、ユニポーラドライブに特有の問題は解消されます。

    前述のユニポーラスタックと同じ動作をバイポーラスタックで行う場合、平均電圧 Vave=0V となり電圧の偏りがなく信頼性の向上になる。
    製品説明
    【デザインと寸法】
    バイポーラアクチュエータ PSt 350 bp/ の機械的な設計概念は、標準のユニポーラアクチュエータと同様です。両モデルとも、ベアー素子と、予備負荷(プレロード)されたケーシングモデル”VS”を用意しています。

    したがって機械的設計は、ピエゾメカニック社のバイポーラアクチュエータとユニポーラの同等品の間に互換性があります。スタック、およびリングタイプ(空洞シリンダタイプ)も用意しております。総ての標準オプションはバイポーラアクチュエータにも適用出来ます。

    【電気配線】
    電気極性は、バイポーラスタックに以下のように定義されています。アクチュエータの機械的な動きが、駆動電圧と同期するか、または逆動作であるかどうかです。

    【+ とは:】 ピエゾにかかるドライブ電圧信号のプラス極性は、スタックの拡張(膨張)に変換されます。逆に配線した場合、アクチュエータの動きは逆になります。

    2個のアクチュエータを、1台の電源に逆極性に接続した場合、一方のアクチュエータが拡張し、そして他方が縮まります。したがって、非常に簡単にプッシュプルのアレンジメントを設計することが出来ます。

    極性は以下の方法で表示しています:

      A: ベアースタックリード線の色 赤/黒による識別。スタックのエンドファースは電気的に絶縁されています。(少なくとも1500Vに耐えます)
      B: ケーシングVSの場合は、同軸ケーブルの配線は標準のユニポーラアクチュエータと同じ配線極性で、内側の芯線が (+極)で外側のあみ線はケースに接地してあります。コネクタはLEMO 0S250かBNCをタイプです。
      C: ケースングバージョンの特注配線:   特別なアプリケーションとか駆動エレクトロニクスの事情により、アクチュエータのケーシングの接地を分離する必要がある場合は、ピエゾメカニック社ではご要望に応じます。

    駆動電圧とストロークとの関係

    ここで説明しているアクチュエータは、上図の ストローク/電圧特性を示します。±350V のレンジにて、サイクリックな運転状態でのバイポーラスタックアクチュエータの変位特性は個々のテーブルに表示されています。S:アクチュエータのストローク
    PSt350 bp/10/xx (ケース無し)
    • ディスクリートスタック素子
    • エンドプレートは、PZTセラミックまたはアルミナで電気的に絶縁されています。
    • 高分子を使った表面被覆
    • 最大負荷: 500 N
    • ブロッキング状態での±350Vスイングの際の最大発生力:
      およそ2000N(ニュートン)
    タイプ ストローク*
    μm
    長さ L
    mm
    静電容量
    nF
    スティフネス
    N/μm
    共振周波数
    kHz
    PSt 350 bp/10/5 6 9 45 300 60
    PSt 350 bp/10/15 15 18 75 150 40
    PSt 350 bp/10/25 25 27 120 100 30
    PSt 350 bp/10/35 35 36 180 75 25
    PSt 350 bp/10/50 50 54 250 50 20
    PSt 350 bp/10/70 70 72 340 35 15
    * ストロークは駆動電圧 ±350 Vかけた時のフルスイングの値です。
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    PSt350 bp/10xx VS18 (ケース入り)
    (ステンレススチール製 予備負荷付き)
    繰り返し周波数の高いアプリケーションには、オプションの "Thermo-stable"をお勧めします。

    * ストローク値は駆動電圧 ±350 Vかけた時のフルスイングの値です。

    * ストローク長の長いアクチュエータ PSt 350 bp/5/.... も特注にて製作いたします。

    タイプ ストローク*
    μm
    長さ L
    mm
    静電容量
    nF
    スティフネス
    N/μm
    共振周波数
    kHz
    PSt 350 bp/10/5VS18 6 24 45 300 40
    PSt 350 bp/10/15VS18 15 33 75 150 35
    PSt 350 bp/10/25VS18 25 42 120 100 25
    PSt 350 bp/10/35VS18 35 51 180 75 20
    PSt 350 bp/10/50VS18 50 69 250 50 17
    PSt 350 bp/10/70VS18 70 87 340 35 14
    PSt 350 bp/10/90VS18 90 105 450 30 12